
ウォルマート・ストアーズ(Wal-Mart Stores, Inc.)は、米国最大手の小売スーパー・チェーンです。グループは26ヶ国以上に約2万店舗あり、売上額では世界最大の企業で、日本ではSEIYUが傘下です。連続増配記録が25年以上の配当貴族銘柄です。今期は好決算で株価も急騰しました。
ウォルマート株価78.93ドル、配当2.58%(2017.5月)
好決算への戦略
創業以来の薄利多売の郊外型大規模店だけではなく、小型店舗の出店やネット通販の中継基地として強化していたが、不採算小型店舗の大規模な閉店を決行し好決算をもたらしました。
ネット通販大手のAmazonの登場により、ネット強化のための投資に利益を大幅に投入を試みました。ウォルマートのネット売上高は100億ドルを超え、数年前には、ネット通販において売上高が30%増とAmazonを超える伸びを記録したこともあります。
また、Facebookなどのソーシャルフィルタ技術による分析で店舗の品揃えを変えるなどの試みも行っています。
ウォルマートグループは世界26ヶ国約2万店舗以上を保有していますが、日本のSEIYUを含め、アジアでは不採算が相次ぎ苦戦していました。しかし、ブラジルでは高い売上高伸び率を上げ、カナダではライバル店を追い込むほどの勢いで進出しています。
セービング・キャッチャー
セービング・キャッチャー(Savings Catcher)とはウォルマートの節約アプリで、レシート番号を入力するだけで、周辺の競合店の最安値より高かった分の差額をキャッシュバックしてくれるウォルマート独自の人気サービスです。
意外な防犯対策
現在、アメリカの総人口の43%はウォルマートで買物をしていると言われています。万引き件数も多く、米国ウォルマート全体で毎日1億4000万件の万引きがあり、経営を圧迫する要因の一つです。この万引き対策が長年の課題でした。
もちろん、防犯カメラの設置を強化したりとハード面では最新の防犯対策をしています。面白いのがソフト面での対策です。万引きを厳しく罰するのではなく、万引きを教育するというのです。
万引き犯を捕えて警察に届ける代わりに、初犯で危険度の低い万引き犯に、商品の代金支払いをしてもらう。さらに万引き防止の教育プログラムに参加してもらうというのです。すでに実験的に1500店舗でテストが始められており、警察への通報がアメリカ全体で平均35%減りました。
さらに、従業員教育で防犯訓練などを定期的に実施(アメリカでは万引きの大半が従業員⁉︎)したり、店舗の入り口でお客さんに声掛けをして顔見知りになる、いわゆる挨拶運動を実施したりしています。
ま と め
- ウォルマートは配当貴族銘柄
- 老舗スーパーでありながら進化し続けている
- 万引き対策が面白い
※投資は自己判断でお願いします。